何のための中学受験?
中学受験という「選択」
かつては「中学受験」はごく限られた子どもたちのためのものでした。マスコミでとりあげられるのは、ハチマキをまいて志望校の前でシュプレヒコールをあげる受験生や出願日前日に深夜から校門の前で行列をつくる親の姿ばかりでした。
ところがいまや首都圏の1都3県での受験率は約17%。また神奈川県内公立中高一貫校5校の志願者数は定員680名に対し、約4,000名、倍率にして5.8倍と高い人気が続いており、6ヵ年一貫教育に対する期待が顕在化しています。
先行きの見えない、将来に夢や希望を見いだせない時代だからこそ、子どもたちに少しでもよい教育環境を、という保護者の願いが、単なる一過性ブームではない中学受験熱の高まりを支えています。とにかく確実に言えることは、「小学生を持つ親にとって、中学受験は『必然的な選択』になりつつある」ということです。
何のための中学受験?
中学受験はハードです。入試問題は年々「進化」と「難化」を続け、分野によっては大学入試をも凌駕するような「教養」が求められるようになってきました。そんな中、志望校合格を掴み取るためには、並々ならぬ努力が必要なのです。
受験をする子どもたちはちょうど、反抗期・思春期を迎える時期。彼らはどこかで「どうして塾に通うの?」「なんのために受験するの?」という疑問を抱き、そこから逃げ出したくなるときもあることでしょう。そこで、厳しい叱責や励ましの言葉をかけながら、受験までの道のりをしっかりと自分の足で歩ませ、「高み」を目指して努力し、失敗を恐れずに挑戦する「折れない心」を育むことこそが、「中学受験という選択」の真の意味を持つのだと、私たちは考えています。
「進学塾」の看板を掲げる以上、私たちの使命は「志望校に合格させること」――― この1点に尽きます。しかし、受験を乗り越えた子どもたちにとって、その成否はすべてではありません。彼らにとって中学受験はゴールではなく、新たな人生の出発点なのです。
「育てる」心と「ものづくり」へのこだわり
学習塾という職業は「サービス業」に分類されます。私たちの仕事の根幹にあるのは「子どもたちとの関係」であり、「家庭との信頼・協力関係」ですから、質の良い授業をすることや安心して子どもを預けられる環境作りをすることや適切な情報を提供することは、基本中の基本です。
しかし他方で私たちは、草花や農作物を育てるときのように、子どもたちの好奇心や闘争心や失敗から立ち直る回復力を信じ、過度に肥料を与えることなく、最後の最後で大輪の花を咲かせ、大きな実を結ぶように、じっくりと子どもたちの成長を見守る気持ちを忘れないようにしたいと思います。 同時に、テキストやテスト、日々の教材や@will学習システムなど、「教材整備」に関しては「ものづくり」の心を大切にして、徹底的に「品質」や「職人の技」にこだわり続けていきます。一番大切な心を見失わないこと。それが私たちのポリシーなのです。
中学受験指導という職業は、我々にとっても多くの可能性の中のたった一つの選択であり、だからこそ成功の喜びや失敗の痛みの中で真の充実感と達成感を獲得できるような係わり方をしたいと思っています。陳腐な言い回しですが、我々にとって、本当の意味で「苦労を共にできる」子どもたちと保護者にめぐり合うことに勝る喜びはないのです。
「一期一会」の精神で
ただ、どれだけ宣伝文句を並べても、子どもたちが実際に楽しく塾に通い、楽しく授業を受け、そしてそれが学力向上につながるものでなければ何の意味をもありません。逆に、どれだけ中学受験の厳しさを書き連ねても、自らがその「現場」に足を踏み入れてみなければ、本当の厳しさは理解できないし、また「辛いけど楽しい」の「楽しい」の部分もわからないでしょう。
学校選択が正しかったのかどうか、受験が成功だったのかどうかは、実際にその学校に進学し、6年間の学校生活を終えてみて、はじめてわかることです。塾だって同じ。万人にとっての最良の選択というものはありません。
まずは気軽に門をたたいてみてください。そして授業を見学し、体験してみてください。皆さんにとっても皆さんのお子様にとっても実り多きものとなるよう、誠心誠意、指導に当たらせていただく所存です。