開校4年目の県立中等教育に加え横浜市立南高校附属中が募集を開始、3校あわせてわずか「480の指定席」をその9倍近い4,213名の小6生が目指しました。県内小6生の5.2%が志願したことになります。
県下トップの合格者数!
県立中等には計40名、市立南附属に39名が合格
今年もCG啓明館からもCG中萬学院からもCGパーソナルからも合格者が多数出ました。私学との併願や公立中高一貫校のみの受検、あるいは個別指導で集団指導で、と生徒それぞれのニーズに合わせた対策が行える中萬学院グループならでは、といえます。開校初年度の市立南高校附属中では各塾中で最も多い、ほぼ1クラス分の39名が合格、県立中等教育では開校初年度から連続で合格者数が伸び、3校あわせた総数でも公立中高一貫校合格者はCHUMAN生が最も多い結果となりました。右のグラフは社団法人全国学習塾協会の定める実績対象に基づく合格者数の推移です。入試から逆算して3カ月以上継続して受講していること、など基準が定められています。協会に加盟していない塾は、独自の基準で合格者を公表しています。
県立は3年連続志願者増、最難関は市立女子
国私立中学受験者も併願先として定着?
今年の受検状況は右のとおりです。県立2校あわせた志願者数は3年連続で上昇しており、確実な人気を維持しています。多くは国私立中学との併願者で他校の合格を得て受検しなかったと見られる当日の欠席・取り消し者は県立相模原・市立南で多く出ました。市立の女子では学区内志願者の4.6%が欠席・取り消しをしているのが特徴です。欠席・取り消し者は3校全体で志願者4,213名の3.4%に上りました。これに繰り上げ合格数(非公表)すなわち辞退の推定値を加味すると、志願者の5%弱が国私立中学と併願し、結果国私立中学に手続きしたものと考えられます。県立2校の高いレベルの教育実践や都立中高一貫校の大学合格実績など、私学受験者にとっても魅力ある選択肢の一つになっていることは確実です。一方、志願者の9割は他校を受験しない公立中高一貫校を第一志望とする6年生たち。「私立中学受験の勉強をしていないと受からない」といった我田引水的な話に惑わされることなく、自信をもって受験勉強に臨んでもらいたいと考えます。
定まる県立、2年目に注目したい市立
県立はすべての問いに「実践的算数力」、市立は「知らないと解けない」出題も
4回目となった県立中等教育の適性検査は大設問3題すべてに確かな計算力が要求される、教科横断型の適性検査らしい「良問」でした。図形問題もちりばめられ、難問奇問の類はないものの手応えのある問題です。平均点は昨年より若干下がったものと思われます。また、作文がなくなった代わりに適性検査Ⅱの問1で60字以上90字以内の自由記述が出題されました。「お年寄りとどう接していこうと思うか」という取り組みやすい問いでしたが、文字量から30点の配点に部分点は設定されていなものと思われます。
すべての問いに「実践的算数力」が要求される「県立スタイル」は確立されたと言ってよいでしょう。
注目の市立適性検査は
一方、市立の適性検査問題。Ⅰではいわば国語の読解、Ⅱでは過去の私立中学入試に見られた算数・理科の問題、Ⅲでは都道府県名と位置を知っていなければ解けない社会科的な出題も見られ、教科的色合いの濃い出題であったと言えます。他県の事例でも知識を直接問う出題がないわけではありませんが、県立とは作問の思想に大きな違いが見られます。小学校教科書レベルの知識は最低限もって入学してきてほしい、というメッセージが読み取れますが、保護者の反応はさまざまであったようです。
県立でも今のスタイルに落ち着くまで3年かかっています。来年度の市立の適性検査も、その意味では何らかの変化があるかもしれません。 適性検査のおおまかな講評は中萬学院ホームページをご覧ください。
小学生の学力目標としての適性検査
国私立中学受験者も併願先として定着?
適性検査に向けた学習を積み重ねることは、同時に公立高校入試対策にもつながる、言い換えれば、これからの時代に必要な学力トレーニングを積んでいるわけです。確かな計算力、文章力、正確かつ速い情報処理力を身につけながら、与えられた条件にしたがって考え、判断し、解答として表現するトレーニングをしっかり積み重ねていきましょう。昨年12月に県教育委員会が公表した新しい公立高校入試問題出題例は、端的に言えば「適性検査そっくり」。右の例のように社会では少子高齢化という「身近なテーマ」が土台となっているのも共通しています。すでに公立中高一貫校適性検査・私立中学入試で重視されている「思考力・判断力・表現力」がいよいよ公立高校入試でも重視されるということです。